医学教育
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第1学年次を対象とする症例を用いた「医の倫理」教育の成果について
谷田 憲俊下山 孝関 眞垣下 榮三新家 荘平辻 智之
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2003 年 34 巻 2 号 p. 111-119

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抄録

本学は「臨床問題解決のため倫理を理解し解決能力を修得する」を目標に「医の倫理」を第1学年次に採用した.科目は14授業時間で, グループ討論を2症例で行い, 主な倫理課題は講義を, また初日と最終日に同一の小試験を行った.成績は, 出席とグループ討論のレポートおよび最終小試験から評価した.最終小試験成績は2例目のレポート点と正の相関を認め, 1例目のレポート点と相関しなかった.合格の寄与因子は最終小試験成績と出席率であり, 出席率が独立寄与因子だった.最終小試験結果は成績と関連したが, 初回小試験は無関係だった.これらの結果は, 学生が倫理的問題の解決能力を修得するうえで「医の倫理」教育が有用だったことを示す.

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