医学教育
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学生による授業評価の検討
島本 史夫
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2003 年 34 巻 6 号 p. 391-398

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抄録

大阪医科大学における「学生による授業評価」を検証した. 平成13年度および平成14年度4年生を対象とし, 各年度2回評価を行った. 1回目は記名式で強制提出, 2回目は無記名式で任意提出とした. 回収率は両年度1回目100%, 2回目は93.1%と81.5%であった. 無関心な中間的評価は少なく, 講義の良い点や改善すべき点を的確に示していた. 2回目の評価で評価点数が上昇し, 講義内容改善につながった項目が63.3%と多かった. 学習態度の自己評価点は中間値を示した. 自由意見記載率は30-40%と高率であり, 具体的な授業の改善に役立つ内容が多かった. 記名・無記名にかかわらず学生は率直な意見を記載し前向きな姿勢を示した. 学生による授業評価は少なくとも講義内容の改善とともに, 教員の教育能力向上に役立つことが示唆された.

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