2004 年 35 巻 1 号 p. 33-42
医学部学生の身体診察実習におけるgenderに関する意識を明らかにし, 望ましい実習の計画と, 学生の医師としての診療態度の修得を評価するために, 医学部2, 4, 6年の学生245人にアンケート調査を行った. 学生は健常者や同級生との診察実習の意義を理解しており, 男子学生よりも女子学生の方が異性を対象とした実習の必要性を認識していた. 異性同級生の診察における差恥心は学年が進むとともに低下した. 男子学生では診察被験者となることへの抵抗感は学年とともに消失する傾向が認められた. 女子学生は男子学生の被検者となること, および男性指導者による実習の被検者となることに抵抗感を示した. アンケートの解析により, 医学部の学生は学年が進むとともに身体診察を抵抗なく行う態度を修得していること, ならびにgenderに配慮した実習を行う必要が認められた.