2004 年 35 巻 2 号 p. 89-94
佐賀医科大学附属病院 (現・佐賀大学医学部附属病院) 総合外来診療実習中の6年次医学生に対する患者満足度を米国内科学会の患者満足度評価票10項目のうち6項目を用いて調査し, 卒前教育におけるコミュニケーション技法教育の問題点を検討した. 各項目には不十分 (1点)~特に優れている (5点) の5段階で回答を得た. 平均スコアは3.38±0.66 (よい~非常によい) で, コミュニケーションの態度に関するほかの4項目に比べて, 「患者の質問への回答」「説明の明瞭さ」についての評価が低かった. これは佐賀医科大学の卒前教育カリキュラムにおいて患者への教育的介入に関する技法が不十分である問題を示唆した.