2004 年 35 巻 4 号 p. 281-285
本医科大学の第6学年で行われている25科目の講座別卒業試験 (講座卒試) と綜合試験を医師国家試験 (国試) と比較し総括的評価の手段としての有用性を検討した. 2002年度第6学年93名のうち, 卒業後に国試成績を大学に報告してきた58名を対象に, 第1学年から第5学年までの進級試験 (進級試験), 講座卒試, 国試模擬試験 (業者模試) そして綜合試験の成績を国試の成績と比較した. 国試成績と進級試験, 講座卒試, 業者模試, 綜合試験の各試験成績間の相関係数はそれぞれ0.62, 0.46, 0.68, 0.63であった. 綜合試験は総合能力を評価する方法として有用であろう. 一方, 講座卒試はほかの試験と比べ国試成績の予測能はやや劣るかもしれない.