医学教育
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東京大学におけるクリニカル・クラークシップの評価研究 (その1)
学生による自己評価および教員による学生評価
松村 真司大滝 純司水島 春朔北村 聖Gordon L NOEL福原 俊一高本 眞一加我 君孝
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2004 年 35 巻 6 号 p. 361-368

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抄録

【目的】2002年より東京大学では実習をより参加型にすることによって医師としての実践的な知識・技能・態度の学習をすることを目標としたクラークシップが導入された.今回導入時に, 東京大学医学部附属病院におけるクリニカル・クラークシップの学習効果の測定を目的とした評価研究を行った.本稿では1) 学生による自己評価, 2) 教員による学生評価の結果を報告する.【方法】事前にクラークシップの共通到達学習目標を設定し, それに応じた調査票を用いて, クラークシップ開始前後に1) と2) を行い, それぞれ集計した.【結果】クラークシップ終了後の自己評価は開始時に比べ向上し (開始時平均2.71vs.終了時平均3.18), 特に臨床患者マネジメントにおける項目の評価が向上した.教員による学生評価も開始時評価 (平均3.26) に比べ中間評価 (平均3.64), 終了時評価 (平均3.57) は有意な向上が見られた.【考察・まとめ】本年度の結果を参考に, 教員の教育技法を向上せるための対策などを通じクラークシップをより効果的にすることが必要であるとともに, 今後は事前の目標設定によるプログラムの成否の判断が必要である.

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