医学教育
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東京大学におけるクリニカル・クラークシップの評価研究 (その2)
学生によるコース評価および教員評価
松村 真司大滝 純司水島 春朔北村 聖Gordon L NOEL福原 俊一高本 眞一加我 君孝
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2004 年 35 巻 6 号 p. 369-376

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抄録

【目的】東京大学におけるクリニカル・クラークシップの評価を目的とした研究を行った.本稿では学生による1) コース評価, 2) 教員評価, 3) インタビューなどの定性的情報による評価について報告する.【方法】評価は前期・後期クラークシップ終了時に質問紙票を用いて行った1) については事前に設定した共通到達学習目標に対応する項目と, 学習機会について質問票を用いて評価した.教員評価では共通到達学習目標に対応する項目と, 教育技法に関する項目を用いた評価を行った.またさらに自由記載・インタビューを用いた評価も行った.【結果】前期におけるコース評価の全体平均は3.63, 後期は3.38であり, 後期は若干低下した.基本臨床手技の経験には, 担当科による経験に差異がみられた.教員評価は, 前期は2.93~3.87に分布し, 後期では2項目を除きすべての評価において下がっていた.教育技法に関する評価は, 前期は4.52~4.79に分布し, 後期が4.42~4.70に分布した.学生へのグループ・インタビューでは後期の行われた5月には卒業直後の新卒研修医が病棟に配属され, 学生の学習機会が前期に比べて減少したことが指摘された.【考察】クラークシップの実施時期は検討項目であると考えられた.本年度の結果を参考に, より効果的な教育プログラムに改変することが必要である.

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