2005 年 36 巻 4 号 p. 215-226
米国では充実したボランティア環境の影響もあり, ボランティア活動が医学教育の一環に積極的に取り込まれている. 一方日本でも病院ボランティアが徐々に増えてきている. こういった中, ハワイ大学と佐賀大学の医学生のボランティア活動を比較するアンケート調査を行った. その結果, 活動期間・場所・内容の比較から, 医学生によるボランティア活動は日米の医学教育制度の違いの影響を強く受けていることが分かった. また, ボランティア経験が実地臨床への関心, 患者と接するにあたっての自信に繋がっていることが分かった. 今後, 日本独自の医学教育を考えていく上で医学前教育におけるボランティア活動も含めたさらなる議論が必要である.