共通教育において, 医学生と看護学生の倫理課題への考えを尋ねた.質問は, “治れば死刑になる死刑囚の治療”“まれな害反応の説明”“術死を起こした外科医への訴え”“外科医は傷害致死罪に相当”“命の始まり”“重要な倫理課題” である.医学生は看護学生より多く死刑囚を治療すると応えた.85%以上がまれな害反応も伝えるとした.多くは外科医への訴えは当然としたが, 傷害致死に相当と答えたのは医学生より看護学生に多かった.受精が命の始まりとする学生が多く, 重要な倫理課題は医学生が脳死臓器移植, 看護学生は生殖補助医療であった.医学生と看護学生の医の倫理教育には, 異なる倫理見解に留意し, 対話促進が大切と考えられた.