医学教育
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生体認証を用いた医学生の出欠管理の試み
中木 敏夫松村 喜一郎古井 滋
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2006 年 37 巻 5 号 p. 299-304

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抄録

生体認証の一つである指紋点解析照合システムにより, 医学部3年生の出欠を正確に記録する方法を試みた. このシステムと並行して従来の出席カードによる出欠も記録した. 指紋点解析照合システムは指紋照合装置, 通信制御ユニットおよびパソコンから構成されていた. あらかじめ各学生の指紋を登録しておき, 講義へ出席することに学生が指紋照合装置に指を置くことにより出席の記録とした. 出席のデータは時刻と共に記録され, 通信制御装置に蓄積され, 最終的にパソコンに取り込まれた. 指紋点解析照合システムと出席カードによる出欠データは一致した. 施行期間終了後の感想文では肯定的, 否定的, 条件付肯定的意見がそれぞれ3分の1ずつであり, 指紋点解析照合システムに対する学生の印象は一定の傾向はなく個人差が大きかった. この印象の違いは, 成績や出席率とは無関係であった. 指紋点解析照合システムは正確な出欠管理方法として技術的には問題がないことが分かった.

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