医学教育
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小グループによるnarrative-based medicine (NBM) 教育の試み
鶴岡 浩樹鶴岡 優子梶井 英治
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2007 年 38 巻 4 号 p. 259-265

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抄録

Narrative-based medicine (NBM) とその教育の重要性が認識されているが, 教育方法についてスタンダードは 確立されていない.自治医科大学では医学部4・5年生を対象に平成17年度の地域医療・総合診療BSLにおいて小グループによるNBM実習を開始した.
1) 実習を受けた学生140名を対象に, 学生が何を学び, 何を考えたか把握し, 今後のNBM教育の方法や方向性を探究した.
2) EBM・medical cornmunication skill (MCS) などの視点を盛り込んだ在宅ケア患者のシナリオを用い, 小グループで段階的に自由討論を行い, 実習後に「良かった点」「悪かった点」などを自由記載させ, これを質的に解析した.
3) NBM実習は, 臨床における物語の重要性を認識させ, EBM・MCSなど地域医療で必要なスキルの理解を深め知識を総括する手助けとなり, 医療者としての自分と他者への気づきを芽生えさせた.
4) リアルなシナリオを用いた小グループによるNBM実習は, 学生の気づきと想像力を活発化し, NBM教育の一方法として大きな可能性をもつ.

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