医学教育
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卒後臨床研修必修化の前後における研修医のメンタルヘルスの変化に関する検討
道喜 将太郎吉野 聡笹原 信一朗谷口 和樹友常 祐介富田 絵梨子宇佐見 和哉林 美貴子中村 明澄前野 哲博松崎 一葉
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2008 年 39 巻 6 号 p. 381-386

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抄録

2004年より施行された卒後臨床研修必修化には研修医自身の健康と, 研修医が提供する医療の質の両面に対し好影響をもたらすことが期待されている.新臨床研修制度が研修医のメンタルヘルスにどのような変化をもたらしたかを検討した.
1) 全国38施設の1年目研修医 (研修必修化前458名, 必修化後549名) を対象に, 自記式質問紙票を用いて研修状況と精神的コンディションについて調査を行った.
2) GHQ12項目版では必修化前, 後ともに平均48点と変化を認めず, CES-Dにおいても平均15.3点 (必修化前) から144点 (必修化後) と有意な差を認めなかった.
3) 卒後臨床研修必修化により睡眠時間や対人関係の改善がメンタルヘルスへの好影響を, 達成感の減少が悪影響を与えていることが示唆された.
4) 達成感が研修医のストレス反応に大きく関わっている可能性が示唆された.

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