抄録
茨城県鉾田町美原地区の1牛舎よりイエバエ成虫を採集し, 雌を1頭ずつ分離飼育し, 各雌ごとに得られたF_1をsubcolonyとし, 各subcolonyのdiazinon, malathionに対する感受性を局所施用法で調べた。diazinonに対するLD_<50>は, 最低0.095μg/female fly, 最高2.6μg/female flyと27倍以上の開きが見られた。malathionを10μg/female flyの薬量で処理したところ, 死亡率は0∿100%の値を示し, melathionに対する感受性にも大きな変異が見られた。これらの結果から, 同一のhabitatに棲息するイエバエ集団中においても, 殺虫剤に対する感受性には大きな変異があることが確認された。