衛生動物
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犬糸状虫のウマブユへの実験感染
高岡 宏行馬場 稔
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1987 年 38 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
ブユの犬糸状虫に対する感受性を調べる目的で, 室内で羽化したウマブユに本線虫に感染された犬を吸血させ, 仔虫のとりこみおよび発育を観察した。その結果, 犬糸状虫の仔虫はウマブユの吸血時に中腸に取りこまれ, その一部はマルピギー氏管へ移行することがわかった。また, マルピギー氏管へ移行した幼虫は, 摂取された後早くて8日目に第2期幼虫へ, さらに12日目には第3期幼虫へ発育することがわかった。このように, ブユ(少なくとも, ウマブユ)は本来蚊が媒介する犬糸状虫にも実験的には感受性があることが明らかとなった。
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© 1987 日本衛生動物学会
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