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日本組織適合性学会誌
Vol. 20 (2013) No. 1 p. 45-56

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http://doi.org/10.12667/mhc.20.45

総説

がん細胞特異的に免疫応答を誘導するために,正常細胞には発現せず,がん細胞にのみ強く発現する腫瘍関連抗原(TAA; Tumor-associated antigen)の遺伝子を,ゲノムワイドcDNAマイクロアレイ解析により同定した。TAAのアミノ酸配列をもとに,日本人で頻度が高いHLA-A2あるいはA24に結合するペプチドをin silicoで予測して合成し,HLAトランスジェニックマウスやヒト末梢血単核細胞をTAAペプチドで刺激することにより,当該HLA分子により提示されたTAAペプチドに特異的に反応し,がん細胞を殺す細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導できるペプチドを同定した。これらを用いた,がん免疫療法の医師主導型第I 相臨床研究により,安全性が確認され奏効例も観察された。さらに,より有効ながん免疫療法の開発を目指して,CTLとヘルパーT(Th)細胞を同時に誘導できるTAAペプチドや,組織不適合性を回避できる遺伝子改変iPS細胞由来の樹状細胞を用いた細胞ワクチン療法の開発など,著者らの最近の研究成果について紹介する。

Copyright © 2013 日本組織適合性学会

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