日本組織適合性学会誌
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総説
パニック症のゲノムワイド関連解析のHLAアリルによる層別解析
杉本(嶋多) 美穂子徳永 勝士
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2017 年 24 巻 1 号 p. 54-64

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抄録

我々は,パニック症の新規遺伝要因を探索するために,日本人のパニック症についてのゲノムワイド関連解析(GWAS)の結果を用いたパスウェイ解析を実施した。その結果,免疫系,特にHLAの疾患への関連が見出されたため,特にHLA-B-DRB1に着目し解析を実施した。HLA解析の結果,HLA-DRB1*13:02が疾患と関連することが明らかとなったため,さらに,当該アリルの有無によって他の関連遺伝要因が異なる可能性について検討した。GWASのデータを,当該アリルを持つ群と持たない群に分けて関連解析を実施したところ,当該アリルを持たない群の解析において,MCPH1内のSNPが多重検定の補正後も有意な関連を示し,またヨーロッパ系集団のGWASで疾患への関連が報告されているTMEM132D内の複数のSNPも関連する傾向を示した(rs1397504; P=3.88×10−6)。

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© 2017 日本組織適合性学会
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