ミルクサイエンス
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原報
酵母添加スターターを用いるカマンベールチーズ製造に関する研究(第4報)
Geotrichum candidumを用いたチーズの遊離アミノ酸および各種化学成分の生成─
河合 恒彦中澤 勇二
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1997 年 46 巻 3 号 p. 169-175

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抄録

1) ノルマンディ産および国内産カマンベールチーズより,酵母Geotrichum candidumと推定される3種の菌株を単離し, Cd, Ci , YSと命名した。そのうち,振盪培養した培養の状態がスターターとして最も適当な性状を示した菌株はCdであった。Cdは強く振盪することにより, 菌糸体が形成され難く胞子の多い培養となった。
2) このCdを用いてチーズを製造した。製造日より35日の期間にわたり遊離アミノ酸,遊離脂肪酸揮発性有機酸,および香気成分を測定した。
3) Cd添加区とCd無添加区との遊離アミノ酸生成量の推移は,7日目で15.6μmolと13.6μmol, 21日目で35.9μmolと29.4μmol, 35日目で56.4μmolと51.9 μmolで増加率はそれぞれ52%, 171%, 118%であった。
4) 測定期間中に増加したアミノ酸生成量の比較では,セリン, グルタミン酸, バリソ,ロイシン, フェニールアラニンがCd無添加区よりもCd添加区の方が多かった。
5) 遊離脂肪酸,揮発性有機酸および香気成分の測定の結果,Cd添加区の方がCd無添加区に較べて大きい値を示した。これらの結果から,酵母のCd種はカマンベールチーズ製造に使用が見込まれ, 応用性の高い株であることが認められた。

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© 1997 日本酪農科学会
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