ミルクサイエンス
Online ISSN : 2188-0700
Print ISSN : 1343-0289
ISSN-L : 1343-0289
原報
ホイップクリームの性状に関する研究
─第 3 報:ホイップクリームの構造とその安定性─
山口 和美石下 真人鮫島 邦彦
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 50 巻 2 号 p. 55-59

詳細
抄録

 ホイップクリームの微細構造と安定性について脂肪の種類(動物性・植物性),あるいは糖やスキムミルク添加による影響を検討した.
1. ホイップクリームは気泡を取り囲む脂肪球が結合している構造で,ホイップ操作によって脂肪球径が大きくなった.
2. 貯蔵弾性率(G′)は温度上昇とともに低下し,40℃付近で最低となった.
3. 示差走査熱量分析においては40℃付近に吸熱反応の終了温度(Tc)がみられ,固体脂肪は40℃付近で融解することを示していた.吸熱エンタルピーは乳脂肪クリームが最も小さく,糖類添加,スキムミルク添加,植物性クリームの順に大きくなった.

著者関連情報
© 2001 日本酪農科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top