酵素法による胆汁酸の測定に対し,一部の乳酸菌菌体が阻害作用を示すことを観察した。供試した乳酸菌70菌株のうち,35菌株に顕著な阻害作用が認められた。胆汁酸の酵素測定を阻害した乳酸菌 Lactobacillus casei TMC109の胆汁酸に対する吸着性を,HPLC による胆汁酸定量法を用いて調査したところ,吸着性は認められなかった。さらに,Lactobacillus casei TMC109をリン酸緩衝液と混合して得られた抽出液にも同様な阻害作用が認められた。しかしながら,その乳酸菌菌体を蒸留水と混合して得られた抽出液には阻害作用は認められなかった。