ミルクサイエンス
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原報
クミスがラットの血清コレステロールと中性脂肪におよぼす影響
石井 智美鮫島 邦彦
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2001 年 50 巻 3 号 p. 113-117

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抄録

 クミスは内陸アジアの遊牧民に伝えられてきた伝統的な乳酒である.その発酵には,複数の乳酸菌と酵母が関与してきた.現在もモンゴル国の遊牧民の間では,成人男子において夏季に 1 日に平均 5 L から10 L 近く飲まれている.本研究は筆者らがこれまで内蒙古自治区のクミスから分離した菌株である Lactobacillus paracasei subsp. paracasei, Lactobacillus paracasei subsp. tolerans, Lactobacillus rhamnosus, Lactobacillus curvatus と,Kluyveromyces marxianus var. lactis を用いて10%馬乳粉末培地に,初期菌量をそれぞれ106/ml:105/ml 添加してクミスをつくった。そのクミスを噴霧乾燥機(EYELA, SD-1000)によってクミスパウダーを調製し,SD ラットに与えた.その結果,コントロールに比べてクミスパウダーの入った飼料を摂食したテスト区のコレステロール値は有意に低下し(p<0.05),中性脂肪値も有意に低下した(p<0.05).さらに白血球数もテスト区では上昇が見られ,コントロールに比べ有意に高かった(p<0.01).これらのことから,クミスの菌体溶出成分や構成産物が脂質代謝に関与している可能性が示唆された.

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© 2001 日本酪農科学会
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