ミルクサイエンス
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原報
コブハクジラ(Mesoplodon densirostris)乳の化学組成
佐々木 進箸方 麻希子吉田 剛香山 薫渡辺 秀秋太田 智章山田 格細野 明義
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2006 年 55 巻 1 号 p. 37-41

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抄録

 平成17年 7 月 9 日,静岡県沼津市我入道海岸付近で仔クジラとともに座礁し,死亡が確認された泌乳中のコブハクジラ(Mesoplodon densirostris)(メス)の乳腺を切開して乳汁を採取した。この乳汁を冷却(4–6℃)して(財)日本乳業技術協会(東京都千代田区九段北 1-14-19)に運び,直ちに分析に供した。
 組成は水分48.4%,脂肪34.8%,タンパク質15.8%,炭水化物0.2%,灰分0.8%であった。ミネラルとしてカルシウム,ナトリウム,カリウムの含量が高いことが認められた。アミノ酸としてグルタミン酸,ロイシン,アスパラギン酸,リジン,プロリンの含量が高かったのに対し,メチオニン,シスチン,トリプトファン,グリシンの含量が低かった。構成脂肪酸としてオレイン酸(C18:1)の含量が高く,全構成脂肪酸の約50%を占めていた。また,ミリスチン酸(C14:0),パルミチン酸(C16:0),パルミトオレイン酸(C16:1),ステアリン酸(C18:0)ならびにアラキオレイン酸(C20:1)の含量が高いことが認められた。

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© 2006 日本酪農科学会
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