ミルクサイエンス
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原著論文
ラクトフェリンに夾雑する成分のプロテオーム解析
川上 浩早川 江永田 宏次田之倉 優
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2013 年 62 巻 2 号 p. 29-37

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抄録

 ラクトフェリン(LF)は,乳などの外分泌液に含まれる鉄結合性タンパク質であるが,単一物質としてはその多機能性が極めて高いことが知られている。そこで我々は,この多機能性が LF 自体に由来すること以外に,その他の生理活性成分と LF が挙動を共にすることで発現されている可能性について検討した。試薬や食品原料として使用される LF に夾雑する成分を,抗 LF モノクローナル抗体によるアフィニティークロマトグラフィー,イオン交換クロマトグラフィー,および逆相クロマトグラフィーなどによる多段階の方法で分画した。さらに,レーザーイオン化飛行時間型質量分析計による MALDI-TOF-MS プロテオーム解析で,含有されるタンパク質およびペプチドを調べた。その結果,塩基性の等電点をもつタンパク質やペプチドが51種類,酸性の等電点をもつタンパク質が22種類,および低分子のカゼイン分解ペプチド21種類が検出された。これらの中には,酵素活性,免疫調節作用,細胞増殖作用,細胞分化促進作用,抗菌作用,酵素阻害作用など,様々な生理活性を示す成分が含まれる。したがって,in vitro における培養細胞実験や,in vivo で非経口的に投与する動物実験での機能評価においては,LF の生理作用の解析に細心の注意を払う必要があると考えられた。

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© 2013 日本酪農科学会
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