ミルクサイエンス
Online ISSN : 2188-0700
Print ISSN : 1343-0289
ISSN-L : 1343-0289
原著論文
酸性条件下におけるカゼインの加熱ゲル形成
中野 智木竹下 正彦有馬 勇夫遠藤 基佐藤 薫谷本 守正青木 孝良
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 67 巻 1 号 p. 15-21

詳細
抄録

 カゼインをpH 3.6以下,タンパク質濃度6%以上,70-85℃で加熱するとゲル化した。加熱ゲルのゲル強度は加熱温度,pH,タンパク質濃度に依存して増加した。しかし,90℃以上の加熱ではゲル強度が減少した。カゼイン溶液にNaClを添加すると加熱によるゲル形成が抑制された。動的粘弾性の測定によりカゼインを酸性条件下で加熱すると不可逆的な変化がおこることが明らかになった。未加熱の8%カゼイン(pH 2.8)は粘性成分より弾性成分が支配的だった。貯蔵弾性率(G′)と損失弾性率(G″)は3-40℃で加熱温度に依存して減少したが,40℃以上では増加に転じ,70℃で最大となった。加熱による構造変化後に冷却すると,G′とG″は温度の低下に伴い著しく増加し,70℃におけるG′とG″の極大は観察されなかった。加熱により形成したゲルを再加熱すると加熱温度に依存してG′とG″が減少した。酸性の加熱ゲルは熱可塑性であり,酸性ゲルやレンネットゲルとは異なる特性を有していた。

著者関連情報
© 2018 日本酪農科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top