2019 年 68 巻 3 号 p. 180-187
プロバイオティクスは,宿主の健康に好影響を与える生きた微生物を指し,代表的なものとして乳酸菌やビフィズス菌などが挙げられる。近年,平均寿命の延伸や健康志向の高まりから,プロバイオティクスに対する関心が高まっている。さらに,生菌だけでなく,殺菌体や菌の代謝物を含む「ポストバイオティクス」や「パラプロバイオティクス」という概念も浸透しはじめ,それらの機能性研究の活発化と共に製品の市場も拡大しつつある。本稿では,広がりをみせる乳酸菌殺菌体の機能性について述べるとともに,その1つとして,乳酸菌Lactobacillus paracasei MCC1849の免疫賦活作用について紹介する。また,製品開発における乳酸菌加熱殺菌体の有用性についても触れたい。