酪農科学・食品の研究
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北海道における生乳中の一般細菌, 低温細菌, 中温細菌および耐熱性細菌の実態調査結果について
笹野 貢青山 英俊荒井 義久
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1993 年 42 巻 5 号 p. A-181-A-189

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抄録

 平成2年度から4年度における, 北海道産生乳の一般細菌, 低温細菌, 中温細菌および耐熱性細菌について, 年2回(8月および1月)の頻度で実態調査(n=1,063)を行った。その結果は次のとおりである。
1. 調査期間中の各種細菌の平均値は, 一般生菌が26.9×103/mℓ, 低温細菌が7.1×103/mℓ, 中温細菌が18.7×103/mℓ, 耐熱性細菌が1.9×103/mℓであった。また, 一般生菌に対する各種細菌の比率をみると, 低温細菌が26.4%, 中温細菌が69.5%, 耐熱性細菌が7.1%であり, 一般生菌の大部分は中温細菌と低温細菌が占めていた。
2. 調査期間中の各種細菌の度数分布は, 一般生菌が3×104/mℓ以下で72.0%, 1×105/mℓ以下で97.5%であり, 低温細菌が5×103/mℓ以下で67.9%, 1×104/mℓ以下て85.0%であり, 中温細菌が3×104/mℓ以下で83.3%であった。これを1×105/mℓ以下でまとめると98.6%となり, 耐熱性細菌では1×103/mℓ以下で67.3%, 5×103/mℓ以下で91.5%となった。
3. 一般生菌と低温細菌, 中温細菌および耐熱性細菌との2者間の相関係数は, それぞれ0.469, 0.862, 0.348を示し, 中温細菌との相関が最も高かった。

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© 1993 日本酪農科学会
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