Medical Imaging Technology
Online ISSN : 2185-3193
Print ISSN : 0288-450X
ISSN-L : 0288-450X
研究論文
交差プロファイル法による4次元MR画像を用いた横隔膜機能画像の生成
桝田 喜正西川 朋輝和田 啓伸吉田 成利吉野 一郎木川 隆司伊東 久夫羽石 秀昭
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 28 巻 3 号 p. 181-188

詳細
抄録

胸部の 3次元動態を解析することは,慢性閉塞性肺疾患など呼吸機能に深くかかわる疾患の診断や治療に有用である.そこで我々は以前,MRIを用いた胸腹部の立体画像の時系列データ,すなわち 4次元画像の構築法を考案した.本論文では, 4次元 MR画像を用いた呼吸に伴う胸部動態の解析方法として,横隔膜機能画像の生成について示す.具体的には,呼吸による動きがもっとも大きく,呼吸の特徴が顕著に現れる横隔膜に注目し,4次元 MR画像から横隔膜を抽出して,横隔膜の変位量と変位スピードを可視化する手法を提案する.横隔膜表面の抽出は,はじめに時系列第 1フレームの 3次元画像についてマニュアルで行い,次にこの表面を正規化相互相関を用いて時系列に追跡していく.また可視化は,横隔膜の体軸方向の変位量と変位スピードを疑似カラーマップ化することによって行う.健常者,患者を含む 6例のデータに適用したところ,被験者間,また部位ごとの相違を視覚的に確認することができ,その有用性が示唆された.

著者関連情報
© 2010 日本医用画像工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top