2010 年 28 巻 4 号 p. 229-236
通常の胸部放射線治療においては呼吸性移動による範囲を網羅するような広めの照射範囲を設定するため,正常組織にも多量の放射線が照射されてしまう可能性がある.そこで,生体力学シミュレーションにより肺内部の動きを予測できれば,正常組織の被曝を低減できる.本研究では吸気時CT画像から3次元肺形状を作成し,弾性体であるとモデル化して粒子法により肺内部の動きをシミュレーションする.シミュレーションの境界条件には呼気時および吸気時のCT画像からTemplate Matchingを用いて横隔膜および肺野輪郭の移動量を算出したものを用いる.そして,シミュレーション結果と呼気時および吸気時のCT画像から4DCT相当の時系列3DCT画像をImage Warpingを用いて構成する.