Medical Imaging Technology
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研究論文
DPトラッキング法によるMモード超音波画像上の局所心筋運動追跡
陳 超大山 航若林 哲史木村 文隆関岡 清次
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2010 年 28 巻 4 号 p. 271-278

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抄録

Mモード超音波画像上で局所心筋の運動を追跡する新しい手法を提案する.心筋機能の定量的評価を行うためには心筋の運動追跡が有効であるが,現在は検査者の目視による追跡が必要であり,高精度な自動追跡手法が望まれている.提案手法は動的計画法(DP)に基づいた目的関数の最適化により,心筋の運動を追跡する.提案手法は主に2つのステップ,速度算出部と運動追跡部を含む.速度算出部では超音波信号の相関加重位相差処理により超音波信号に含まれるスペックルやノイズに起因する速度算出エラーを低減した瞬時移動量を算出する.運動追跡部では,速度算出部で算出された瞬時移動量を用いて,心筋の周期性の仮定に基づいて最適な追跡点の軌跡をDPにより決定する.診断に利用されている超音波診断装置を用いて正常被験者から超音波信号を42例取得し,運動追跡実験を行った.目視による追跡結果との定量比較を行った結果,提案手法は従来手法よりも正確な追跡が実現できることが示された.

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© 2010 日本医用画像工学会
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