Medical Imaging Technology
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特集/臨床画像工学研究の未来を担う診療放射線技師
拡散MRIを用いた細胞膜透過率の推定
今江 禄一関野 正樹篠原 広行
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2011 年 29 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

拡散MRIは,測定対象物に含まれる水分子の拡散を反映した画像を得ることができる.これまでの臨床および研究では,主に生体内水分子の実効的な拡散係数に着目されていたが,近年の研究では実効的な拡散係数に影響を与えるさまざまな要素について解析し,活用することが期待されている.本稿では,有限差分法による数値解析を用いて,細胞内拡散係数や細胞膜透過率が拡散MRI信号に対してどのような影響を与えるか,また,数値計算の応用の1つとして健常ラットおよびヒトの脳の細胞内拡散係数と細胞膜透過率を推定する方法を解説する.推定されたラットおよびヒトの細胞内拡散係数はそれぞれ (0.9±0.4) ×10-3mm2/s,(1.2±0.2) ×10-3mm2/s,細胞膜透過率はそれぞれ68±6 μm/s,80±13 μm/sであった.本法は,非侵襲的に細胞内拡散係数および細胞膜透過率を推定可能であり,新たな細胞の機能的イメージングの要素になりうる.

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© 2011 日本医用画像工学会
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