Medical Imaging Technology
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特集/システム開発論文
冠動脈CT読影支援プロトタイプシステムの開発と評価
瀬戸 久美子松崎 和喜光山 訓真鍋(大山) 徳子菊池 穏香白土 博樹玉木 長良
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2014 年 32 巻 3 号 p. 188-195

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抄録

MDCT(multidetector-row CT)の急速な普及により,心臓CT(冠動脈CT)の検査数は増加の一途を辿っている.冠動脈CT読影におけるワークフロー改善を目指し,今後増加する冠動脈CTのフォローアップを効率化し,かつ,研究用データベースとして活用できる冠動脈CT読影支援システムを開発した.開発システムは,DICOM(digital imaging and communication in medicine)タグを活用して各種CT再構成画像を冠動脈分枝ごとに自動分類することで画像選択のステップを効率化し,さらに冠動脈病変の位置や狭窄度,プラーク性状などの情報を管理して過去との病変比較を容易にすることを特徴とする.北海道大学病院の虚血性心疾患患者の20症例分の画像を対象に,熟練読影医と若手読影医による臨床評価を行った.その結果,従来のPACS(picture archiving and communication systems)およびレポート自由文入力による読影法と比較して,フォローアップ時の読影時間は約20%減少し,熟練読影医と若手読影医の病変の部位一致率が92%から100%に向上し,開発システムの有効性が確認できた.

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© 2014 日本医用画像工学会
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