全脳を対象に灰白質・白質の密度や体積をボクセルごとに探索的に評価するボクセルベース・モルフォメトリー(voxel-based morphometry: VBM)は脳形態画像解析において広く用いられている.近年,これを縦断解析に応用した結果が発表されている.縦断VBMは,前処理の時点で工夫が必要であり,統計解析においても反復測定であることを考慮に入れた統計モデルを作ることが重要となる.縦断VBMはまだ方法が十分に確立しているとはいえず,さまざまな要因で結果が変わり得ることから,解析を行う際には注意が必要である.疾患の病態や健常加齢による脳形態変化を解明するためには,縦断解析は必要不可欠であることから,再現性の高い標準的な解析手法の確立が望まれる.