Medical Imaging Technology
特集/がんの先制医療のための画像診断技術
蛍光ナノバイオによるがん病態イメージング
権田 幸祐大内 憲明
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34 巻 (2016) 2 号 p. 61-67

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抄録

担がんマウス生体内において,がん転移活性化膜タンパク質PAR1(protease-activated receptor 1)を蛍光ナノ粒子で標識し,この粒子を一粒子ずつ高精度計測する光学装置を開発した.この技術により,生体内にてタンパク質の動態を9 nmの空間位置精度で解析することに成功した.その結果,がん細胞の形態変化ががん転移時に重要であること,転移の進行に従い膜タンパク質の拡散速度が1000倍以上変化し,この速度増加が転移の活性化に重要であること,を生体イメージングではじめて示した.さらに蛍光ナノ粒子を使った一粒子計測技術を,手術で摘出したヒト乳がん組織の予後診断に応用した.その結果,3年以内再発の乳がん組織のPAR1発現量は,5年以上無再発の乳がん組織よりも3倍高い値を示した.また3年以内再発の乳がん組織において,PAR1発現量と手術後再発までの期間の関係を調べたところ,両者に強い相関性があることを見いだした.本方法は,がん患者の再発リスクを予測する新たな予後診断法へ発展することが期待される.

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© 2016 日本医用画像工学会
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