Medical Imaging Technology
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特集/がんの先制医療のための画像診断技術
血中循環腫瘍細胞検出のためのトモグラフィック位相イメージングフローサイトメトリー
山田 秀直山内 豊彦上田 之雄山下 豊
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2016 年 34 巻 2 号 p. 95-102

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抄録

血液中に潜む循環腫瘍細胞(CTC: circulating tumor cell)は,1869年にその存在が明らかにされてから130年あまりを経た2004年にその臨床的意義が報告された.その利用方法は,予後の予測,治療効果のモニタリング・判定,薬効評価,遺伝子発現解析,テーラーメイド医療など多岐にわたり,がんに関する重要な細胞として知られている.しかし,CTCは,大量の血球成分の中にきわめて微少量で存在するため,その検出頻度が低く,CTC研究の障壁になっている.すでに市場投入されているCTC検査装置もあるが,それらは細胞の大きさや表面マーカーを指標にした濃縮・検出方法である.われわれは,細胞の外形状に留まらず,細胞内部の形態学的な三次元情報をもとに,白血球とCTCを分類することを目標に,トモグラフィック位相イメージングフローサイトメーターという可視光による位相コントラスト三次元断層撮影技術を新規に考案した.本稿では,その撮影技術をX線CTの撮影原理との比較を行いながら述べる.

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© 2016 日本医用画像工学会
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