Medical Mycology Journal
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総説
皮膚科医に対する医真菌学教育
西本 勝太郎
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2016 年 57 巻 3 号 p. J113-J116

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抄録

真菌症の診断は,皮膚科領域において重要な部分であるにもかかわらず,その教育は十分に行われていないとの指摘がある.皮膚病診療において必要な医真菌学的知識の取得や,技術的な支援をどのように行うべきかを,研修の各時期について検討した.
皮膚科専門医への研修期間を通じて強調すべきものが,皮膚真菌症の診断技術を上げることによって得られる,患者側と医療側双方の利益を確認させることであり,これには単なる治療効果のみならず,現行の保険制度における技術の評価,報酬まで含ませるべきである.
全国的には,原因菌種の同定から治療に際しての適切な助言を与えられる数ヵ所の施設を整備し,機関誌などを通じて周知させることである.このような施設での,専門的な研修コースも学会としての取り組みの1つとしたい.現在行われている地域ごとの研修会や講演会と同時に,医真菌症の専門医として現場からの要請に応えて技術的な助言と支援のできる,地域に密着した身近な相談窓口となる医師の推薦も必要である.
皮膚科医としての研修を始めた初期の段階の医師に対し,まず真菌症に興味をもたせることが第一にすべきことである.このためには,単に真菌症についての解説のみならず,皮膚疾患のなかにおける真菌症の位置づけ,真菌学的検査によって得られる成果などとともに,自然界における真菌の生態までを含めた解説も必要となる.

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© 2016 日本医真菌学会
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