Medical Mycology Journal
総説
感染症迅速検査における次世代POCTへの期待
〆谷 直人
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58 巻 (2017) 3 号 p. J91-J94

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抄録

医療の現場では早期診断,治療の方向づけをするうえでリアルタイムに得られる検査結果が求められている.そこで患者の傍らでリアルタイムに実施して診断,治療に役立つ有益な情報を得る検査がpoint of care testing(POCT)である.感染症領域でのPOCTは,初期治療に役立つ情報を診療時間内に得られる迅速検査として利用価値が高い.
感染症迅速診断検査キットは,細菌,ウイルス,真菌,原虫疾患などを対象に多岐にわたり,多くの起炎病原体に対する製品が市販されている.これらのうちPOCTとして用いられている測定法は,イムノクロマトグラフィー法(immunochromatography assay:ICA)である.ICAは操作が簡便であるため,医師や看護師でも検査を行える.
わが国の臨床現場では血清診断法を補助的に用いて深在性真菌症を早期に臨床診断し,治療に結びつける努力が行われてきた.しかし,検査法は煩雑で本格的な臨床検査の部類に入るため,POCTのカテゴリーからは外れる.近年,POCTとして米国では真菌感染症の診断にLAMP法が試みられている.深在性真菌症の早期診断のために簡便かつ精度の高いPOCTによる検査法の開発が期待される.

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© 2017 日本医真菌学会
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