Medical Mycology Journal
原著
イトラコナゾール内服によるケルスス禿瘡加療中に入院を要する肝障害をきたした1例
池田 英里渡邉 荘子澤田 美月二宮 淳也出来尾 格石崎 純子藤林 真理子田中 勝原田 敬之
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キーワード: itraconazole, kerion celsi
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58 巻 (2017) 4 号 p. J105-J111

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抄録

 67歳女性のケルスス禿瘡に対してイトラコナゾール(ITCZ)を投与中に,薬剤性肝機能障害を生じた症例を報告する.1ヵ月前より左側頭部に紅色丘疹が出現し,初診時,黄色痂皮,びらん,浸潤,脱毛を伴う結節を呈した.臨床,組織,および培養所見よりTrichophyton rubrum によるケルスス禿瘡と診断した.血液検査で肝胆道系酵素正常,併用内服薬もなく,ITCZ 100 mg/日,連日投与を開始した.皮疹は順調に軽快傾向を示したが,内服開始1ヵ月後,著明な肝障害が発覚した.ITCZを中止のうえ,薬剤性肝障害の診断で内科入院となった.検査値はAST 232 IU/L,ALT 465 IU/L,T-bil 6.1 mg/dL,D-bil 3.9 mg/dLまで上昇した.入院安静,ウルソデオキシコール酸内服加療にて,ITCZ内服開始から2ヵ月半で肝胆道系酵素は正常値に復した.皮疹に対する治療はITCZ中止後経過観察のみとしたが再燃なく治癒した.ITCZ 100 mg/日連日内服においても肝障害に対する十分な注意が必要である.

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© 2017 日本医真菌学会
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