Papers in Meteorology and Geophysics
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日本における100年スケールのバックグラウンド昇温率および都市昇温率の評価
藤部 文昭
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2012 年 63 巻 p. 43-56

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抄録

   1916~2010年の月平均気温データを使って、日本の気温の上昇率をバックグラウンド(非都市)の分と都市化による分に分けて評価した。既存の電子媒体データに加え、アメダス導入以前に行われていた区内観測の冊子データをディジタル化して利用した。データを均質化するため、日界や1日の観測回数の違いによるバイアスを補正し、区内・アメダスおよび地上気象観測における非都市地点のデータそれぞれに主成分分析を施して空間的に内挿した。得られた結果によると、バックグラウンド(非都市)の日平均気温の上昇率は全国平均で0.88℃/100年であり、日最低気温(1.21℃/100年)のほうが日最高気温(0.67℃/100年)よりも昇温率が大きい。一方、周囲の人口密度が大きい地点ほど昇温率の大きい傾向があり、人口密度が3000人/km2を超える地点の昇温率はバックグラウンドの値を1℃/100年以上上回る。また、人口密度300~1000人/km2の地点でもバックグラウンドの値に比べて有意に昇温率が大きく、中小都市でも都市化による高温化バイアスが存在することが分かる。

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© 2012 気象庁気象研究所
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