Papers in Meteorology and Geophysics
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偏西風の蛇行現象と日本の気候の動気候学的研究
土屋 巖
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1967 年 18 巻 1 号 p. 27-76

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抄録

偏西風の蛇行現象とその気候学的意義とを解析的に明らかにすることを考えた。蛇行の幅が増大した場合にはブロッキング現象の発生することが多いが,この現象は冬季の寒波(日本及び北米東部など)と初夏の梅雨と密接な関係を示すことが,事例解析及び統計的吟味から認められた。とくに従来の梅雨論で重視されたオホーツク海高気圧の存在は,活発な梅雨活動にとって必しも必要な条件とは言えないことが示された、すなわち,梅雨活動を高めるのは日本海から太平洋に抜ける上層寒冷低気圧であって,このような現象は典型的なブロッキング循環に見られる。温暖高気圧としてのオホーツク海藏気圧はこの場合に存在しやすいのであるが,その位置によってはオホーツク海域がむしろ低圧となる場合もある。
なお,寒波の半球的な分布と洪積世大陸氷河の分布との類似性から,氷河時代に関する気候変動の機構を論ずることができるが,これに関連してミランコビッチ(1930)の変動論が再認識される必要のあることが認められた。

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© 気象庁気象研究所
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