1972 年 23 巻 2 号 p. 136-147
秋田駒ヶ岳の噴火活動(Sept.1970-Feb.1971)は,熔岩の流出,爆発等に近年稀な諸現象を含む点で興味深い。
筆者は,この爆発機講の特性をS/Mという量で現わした。駒ケ岳に於けるTide generatingforcesの理論値と調和させつつ活動性質の探究を行ない,その特性の解明,爆発源の深さとその推移等について説明した。これは諸火山活動や,松代群発地震にも現われた興味深い地下活動機構である。
噴火活動中に本邦初の“煙環現象”が出現した。筆者は幸いにも全生成過程を火口から8ミリとテープコーダーとによって並行観測することが出来たので Spectrum 分析,爆発エネルギーの消長と地震波動との関係等の研究を行い,世界火山史上稀有なこの現象の原因を科学的に記述する事が出来た。