日本菌学会大会講演要旨集
日本菌学会50周年記念大会
セッションID: 115-B
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一般発表(ポスター)
四分子分析によって作成したシイタケの連鎖地図
*宮崎 和弘宮崎 安将白石 進宍戸 和夫
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抄録
 シイタケは日本国内において、最も品種数の多いきのこであるが、遺伝解析された情報は少なく、育種現場では膨大な数の交配株と、培養や栽培試験による検定を経て、品種化されている。育種現場での労力軽減のためには、シイタケゲノムの解析情報を利用する方法が有効と考えられる。そこで、我々はシイタケのゲノム構造解析を目的として、連鎖地図の作成を行ってきた。特に、シイタケの同一担子器由来となる担子胞子を一つの単位とする四分子を分離し、四分子分析を利用した連鎖地図を行った。四分子の利用は、解析からはずれる領域が存在しない点や、再現性の低いマーカーの信頼性を上げることなどに効果がある。連鎖地図の作成には、親株として、ニュージーランド産の菌株と日本産の菌株間で交配した、交配菌株MCR14およびMCR15を使用した。交配菌株をブナオガコを主体とするオガ培地で栽培を行い、子実体を発生させ、子実体のひだ上に作られた担子胞子を、マイクロマニュピレータを用いて分離し、同一担子器由来の四分子を準備した。最終的に四分子数25,計100担子胞子を連鎖解析に用いた。遺伝子座の連鎖解析および遺伝子座間の距離の算出には、MAPMAKERを用いた。連鎖判定の閾値は、LOD score: 3.0, 距離:25cMとした。最終的に、マッピングされた遺伝子座数が300(RAPDマーカー:275,ESTマーカー:1,SCARマーカー:8,構造遺伝子:14,交配因子:2,)、連鎖群数は11、全体で1032.1cM(センチモルガン)のフレームワークマップを構築した。次に、部分配列の分かっている、子実体形成時に特異的に発現する遺伝子のうち、PRI10022およびPRI30264のSSCAP解析による分離パターン解析を行い、このフレームワークマップ上に位置づける作業を行った。その結果、、PRI10022は連鎖群(LG)1に、PRI30264はLG3にマッピングされた。
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© 2006 日本菌学会
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