J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

日本菌学会第55回大会
セッションID: A2

記事言語:

http://doi.org/10.11556/msj7abst.55.0.4.0


主催: 日本菌学会
  • 抄録

 青森県内のブナ林および草地で採集された3種類のきのこを調査した結果,それぞれヌメリガサ科のヌメリガサ属(Hygrophorus)およびアカヤマタケ属(Hygrocybe)に所属する新種と考えられたのでここに報告する. 1)Hygrophorus albovenustus (sp. nov., nom. prov.)-オシロイヌメリガサ(新称):子実体は10月にブナ林内に群生.やや小型で全体白色.傘および柄は粘液で覆われる.ひだは白色、古くなると褐変する.胞子は倒卵形~長楕円形,6.5-8.8(-9.5)×3.8-5.2(-6.5)μm,無色,平滑,非アミロイド. 担子器は4胞子性,26-35×6-7.5μm.ひだ実質は散開型.傘表皮は粘毛被.ヨーロッパのH. discoxanthus (Fr.) Rea に類似するが,同種は子実体がより大形で,古くなると傘の縁が赤褐色に変色すること,担子胞子が多少大形であることなどの特徴において異なる. 2)Hygrocybe pallidicarnea (sp. nov., nom. prov.)-ウスハダイロガサ(新称):子実体は10月に草地に群生.やや小型で,傘は中高の平たい丸山形,表面は粘性なく内生繊維状,肌色で乾燥すると淡紅色.ひだおよび柄は白色.胞子は広楕円形~楕円形,6-7.5×4-4.8μm,無色,平滑,非アミロイド.担子器は4胞子性,44-54×5.8-7μm.ひだ実質は錯綜型.傘表皮は平行菌糸被.Cuphohyllus亜属に所属する.H. pratensis (Pers.: Fr.) Murrill に類似するが,同種は傘の色がより濃色で淡紅色とならず,胞子がより大形であることで異なる. 3)Hygrocybe atroviridis (sp. nov., nom. prov.)-フカミドリヤマタケ(新称):子実体は8月に草地に少数群生.小型で,傘は平たい丸山形,表面は濃緑色,粘性はなく多少ささくれる.胞子は卵形~楕円形,7-10×(5-)5.5-6.8(-7.4)×(3.5-)4.5-6(-7)μm,無色,平滑,非アミロイド.担子器は4または2胞子性,30-52×6-12μm.ひだ実質は並列型,菌糸は長さ-500μm,幅10-35μm.傘表皮は平行菌糸被.Hygrocybe亜属に所属する.子実体が緑色で粘性がない特徴において,インドに分布するH. smaragdina Leelav., Manim. & Arnolds,ブラジルで発生が知られているH. viridis Capelari & Maziero およびカリブ海域の小アンチル諸島から報告のあるH. chloochlora Pegler & Fiardなどに類似するが,それらとは胞子の形状および大きさなどの点で異なる.

Copyright © 2011 日本菌学会

記事ツール

この記事を共有