アンサンブル
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シャペロニンGroELによる基質タンパク質の挿入と放出のメカニズムの解明:溶媒和の観点から
天野 健一
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2012 年 14 巻 4 号 p. 196-202

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抄録
生体系において溶質の微細孔への挿入や放出は重要な役割を担っている.本研究では,その一つの例としてシャペロニンGroELに注目し,それによる基質タンパク質の挿入と放出のメカニズムの解明に取り組んだ.理論計算には液体の統計力学 (3D-OZ-HNC)を用い,単純なモデルを用いて基質タンパク質とGroEL間の(溶媒を介在する事による)平均力のポテンシャルを計算・解析した.挿入においては溶媒のエントロピックな性質が,放出においては溶媒のエナジェティックな性質が重要な役割を担っている事が判明した.
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© 2012 分子シミュレーション研究会
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