Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
Online ISSN : 2185-4378
ISSN-L : 1345-3769
論文
メソポーラス球状中空シリカ–チタニアの合成とその二元触媒的利用
外山 直樹水村 光希林 亜咲古川 茂樹
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2025 年 32 巻 Supplement 号 p. S79-S86

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抄録

 本研究は,Si/Tiモル比10,30および100で合成したメソポーラス球状中空シリカ–チタニアを用いてアンモニアボラン加水分解活性とメチレンブルーの吸着および光触媒活性で評価した.メソポーラス球状中空シリカ–チタニアは,ポリスチレン粒子をテンプレートとしたゾルーゲル法で合成した.各Si/Tiモル比で合成した試料の形態をTEM写真で確認したところ,同じような形態をしていることが確認された.さらに,細孔径分布の結果から,メソ孔が存在することが示唆された.まず,これらの試料を用いてアンモニアボラン加水分解活性を行った.この結果から,Si/Tiモル比30で合成した試料の水素発生量が最も多かった.中和滴定による酸点量の結果から,アンモニアボラン加水分解からの水素発生量は,酸点量に依存することが明らかとなった.メチレンブルーの吸着反応では,Si/Tiモル比30で合成した試料が最も多く吸着し,アンモニアボラン加水分解活性の結果と同様であった.メチレンブルーの光触媒活性では,Si/Tiモル比10および30で合成した試料が活性を示した.これはアナターゼ型チタニア微粒子が混在していることが要因として考えられる.

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