Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
Online ISSN : 2185-4378
ISSN-L : 1345-3769
流動層燃焼灰を用いた廃水スラッジの固定化による有機化合物の長期溶出抑制
Dalibor KUCHARVratislav BEDNARIKMilan VONDRUSKA小島 義弘松田 仁樹
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2005 年 12 巻 314 号 p. 33-40

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抄録

乾量基準で約65%の有機化合物を含む廃水スラッジに流動層石炭燃焼灰 (FBC-A) をベースとする種々の水硬性バインダーを混合することによって, スラッジからの有機物の長期溶出性 (28日および1年) について検討した.バインダーにはFBC-A, およびFBC-Aとボルトランドセメントあるいはセッコウの混合物を用いた.さらに, 高多孔質カーボンブラックを有機物の吸着剤としてバインダーに添加した.バインダー混合による廃水スラッジの安定性は, 溶出水の有機物濃度ならびに伝導度によって評価した.
本研究より, 廃水スラッジからの有機物の溶出濃度2320mg・dm-3はFBGAを50wt%混合することによって28日後には500mg・dm-3まで低下することが認められた.FBC-Aにカーボンブラックを2wt%添加することにより, 28日および1年後の有機物の溶出抑制効果はそれぞれ45および39%向上した.最も効率的な有機物の溶出抑制効果はスラッジ・FBC-A・カーボンブラック・セッコウの混合物によって得られた.本結果は, セッコウ添加によるFBC-Aの固化活性の向上とカーボンブラックによる有機物の吸着除去の組合わせ効果によって達成された.

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