Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
Online ISSN : 2185-4378
ISSN-L : 1345-3769
パイロフィライトの加熱変化とか焼物のアルカリ溶液への溶出特性
三国 彰魏 存弟小松 隆一池田 攻
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 12 巻 316 号 p. 191-199

詳細
抄録

パイロフィライト粘土鉱石からのSi4+イオンAl3+イオンの溶出特性についてパイロフィライトの加熱変化に関連づけて研究した.A (80.2mass%) およびB (35.7mass%) の2種類のパイロフィライト鉱石を用いて検討した.溶出試験は原料およびか焼したパイロフィライトを25℃および80℃の0.1N苛性ソーダ溶液中で溶出させることにより行なった.パイロフィライトを主成分とするパイロフィライト粘土鉱石Aは80℃溶出試験では原料も高い溶出を示した.一方, カオリンや石英を含有するパイロフィライト鉱石Bは80℃における原料の溶出量は粘土鉱石Aと比較して少なかった.しかしながら中間の温度範囲でか焼するとカオリンの分解により高い溶出性を示した.パイロフィライトを多く含有するパイロフィライト粘土鉱石はジオポリマー固化体の製造における活性フィラーとしてか焼せずに使用できることが明らかとなった.

著者関連情報
© 無機マテリアル学会
前の記事 次の記事
feedback
Top