マイコトキシン
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Research Papers
遺伝子破壊酵母を用いたトリコテセン簡易検出法
田中 彰山根 由美小宮 洋平山内 皓太杉山 智樹越後 輝敦宇佐美 論吉田 泰彦阿部 文快峯岸 宏明安藤 直子
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2013 年 63 巻 2 号 p. 161-170

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抄録

トリコテセンは Fusarium 属菌などによって生産されるカビ毒であり,重要穀類を汚染する.本研究では,簡易で高感度なトリコテセン検出システムを構築するために,トリコテセン耐性遺伝子を複数破壊した多重遺伝子破壊酵母を作成した.PDR5ERG6RPB4 の3 つの遺伝子を破壊した結果,既存の酵母によるトリコテセン検出系より高感度な検出系を構築することに成功した.さらに,この遺伝子破壊酵母を用いたディスク拡散法により,1.1 ppm deoxynivalenol (日本の暫定基準値)で汚染された小麦粒から,その汚染を簡易に検出できたことを報告する.

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© 2013 日本マイコトキシン学会
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