2017 年 67 巻 2 号 p. 77-83
AFB1抗体の封入のために,コメ籾殻灰からのシリカの抽出ならびにイムノアフィニティカラム(IAC)のマトリクスとしての適用を行った.コメ籾殻灰抽出は4M NaOHで行い,シリカゲル合成のためのNa2SiO3が得られた.得られたシリカはゾル-ゲル法により,AFB1抗体の封入のために使われた.
1 mlの1M Na2SiO3:H2O:H3PO4(0.43:0.11:0.46)は,pH 7で,1.36 mgのAb-AFB1を封入するのに適したシリカゲルを産生した.
48時間のエイジング後,AFB1抗体修飾されたシリカゲル(SG-Ab- AFB1)は粉砕され,アフラトキシン精製用のIACのマトリクスとして充填された.修飾されたシリカゲルは,FTIRとSEMにより観察された.SG-Ab- AFB1のIACとしての性能はAF回収率,負荷能,再利用可能性で評価された.AFB1の回収率は94.11 ± 4.62%であった.AFB1に加えて,本カラムはAFB2,AFG1とAFG2を,それぞれ98.22 ± 3.74%,92.22 ± 7.62%,83.00 ± 6.31%という回収率で回収できた.
0.5gのSG-Ab- AFB1を充填した本カラムは,カラム1本当たり50 ngのAFを結合する能力を持ち,少なくとも5回は,回収率80%以上で再利用可能であった.