サネブトナツメの種は生薬の酸棗仁の原料である.サブネトナツメのアフラトキシン汚染とアフラトキシン産生菌に対する感受性を,熟成段階の異なる実を用いて調べた.実全体あるいは,実を外果皮と中果皮を合わせた部分,内果皮,種に分けた3つの部分にAspergillus flavusの胞子を接種し,培養後それらに含まれるアフラトキシン量を定量した.色により成熟段階を分けた実それぞれで実験を行ったところ,中程度の成熟時期の実に含まれる種において,実全体,部分を用いた実験の両方で,高濃度でのアフラトキシン蓄積が見られた.さらに,顕微鏡観察により,A. flavusの菌糸が門部から種に侵入する様子が観察された.