抄録
剛体球粒子の濃厚サスペンションの見かけの粘性率が理論的にもとめられた.粘性率に対する濃度の効果を閉じた形で求めるため, Happelが提案した細胞モデルが採用された.サスペンションの巨視的な応力および歪み速度をそれらに対応する細胞内の局所的な量の体積平均で定義し, これら巨視的な量の間の関係から見かけの粘性率がもとめられた.その結果得られた粘性率は, 粒子の体積分率が0.3以下の濃度範囲で実験値をよく説明することが示された.また, 非常に低濃度の極限で, Einsteinの粘性公式に一致しないというHappelの解析の欠点が取り除かれた.