日本内科学会雑誌
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III.最近の話題消化管の恒常性維持と病態解明
3.運動機能からのアプローチ―小腸運動の生理と病態―
福土 審
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2011 年 100 巻 1 号 p. 139-149

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抄録

小腸運動は平滑筋によって生じるが,カハール介在細胞と消化管神経系の制御を受け,自動能を有している.これが更に外来性の自律神経系やホルモンを介して中枢神経系の影響を受けている.小腸運動は空腹期と食後期では大きく異なる.空腹期は運動がないphase I,不規則な運動が起こるphase II,1分間に11~12回の律動的で規則正しい強収縮が短時間持続するphase IIIに分かれている.食後期は摂食直後に始まり,phase IIに類似した不規則な運動が2~3時間持続する.健常な小腸運動が障害される最も重症の病態が慢性偽性腸閉塞である.内科医が高頻度に遭遇する過敏性腸症候群においても,小腸運動の異常が見られる.小腸の運動制御に関する新たな知見が待たれる.

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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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